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黒髪ロング祭2011参加作品:小説「黒髪ロングな幼なじみは突然に」 はてなブックマークに追加 |

黒髪ロング祭2011参加作品:小説「黒髪ロングな幼なじみは突然に」

黒髪ロング祭2011参加作品まとめ
【募集】黒髪ロング祭2011を開催します!

水星さん主催の9月6日「黒髪ロングの日」のお祭り企画の参加作品です。

小説「黒髪ロングな幼なじみは突然に」
  テキスト:すくみう(すくぅうみうぎ)


◆    [1] セミと素麺と俺    ◆

 ミーンミーンミーンーミーンジジミーンミーンミーンミーンージジミーンミーン。
 セミがせわしく鳴いている。残念なことに、今日も夏の日差しが強く、絶対に外に出るべきではない猛暑であることが部屋の中にいても分かる。

「うーん・・・。」

 暑い。窓を全開にしていても風の入ってこない2階の部屋。容赦なく部屋に入ってくる太陽光。一定のリズムかと思いきやときどきタイミングをはずすセミの鳴き声。セミの命は儚くも短いという点を考慮しても、セミを呪いたくなる。

「セミ共め、スク水になーれ。」

 俺は1人で呪いの言葉をつぶやくが、数の暴力とも言えるセミ達の呪文の詠唱の前で俺一人の力は無力だった。俺・西森悠太(にしもりゆうた)の高校一年の夏は、「数こそ力」ということが分かっただけでも大収穫だ。今日の敗戦は認める。

「だから、鳴くのをやめてくれ。」

 だが、しかし、セミは鳴きやまない。くそぅ、「数こそ力」の世の中だ。「俺、大人になったら、大勢のスクール水着の女の子達に囲まれて暮らすんだ!とにかく大勢だ!」という野望がふつふつと燃え上がってきた。しかし、とにかく暑い。もう何も考えたくない。

「こんにちはー。」

 キーッと自転車が家の前に止まる音と聞きなれた元気な声が、窓の外から聞こえてくる。1階にいた俺の母親が声の主と話をしているようだが、俺のいる2階からでは聞こえないし、何を話しているかに興味もない。暑い。とにかく暑い。生きるのがつらい。
 しばらくして、トントントン・・・と階段を上がってくる音、そして、俺の部屋のふすまがバンッと開く。

「あきれた。まだ寝てたんだ。」

 ふすまを開けた主が部屋に入ってくる。

「ひゃー、この部屋、暑いねー。ほれ、起きんしゃい。」

「寝かせてくれ。」

「何を言うか、もうお昼だぞ。」

「夏休みに昼も夜もないんだよ。」

 ベッドに寝ていた俺の額にヒンヤリとしたものが当たる。これはペットボトルだ。俺は寝ぼけた目をゆっくりと開きながら、額に当てられたスポーツドリンクのペットボトルを手に取る。

「これ飲んでシャキっとしなさい。」

「あんがと。」

 ベッドから起き上がり、スポーツドリンクをごくごくと飲む。スポーツドリンクを持ってきてくれた砂漠の中のレスキュー隊員は狭い部屋を見渡していた。白のキャミソールにジーパン、黒髪ロングの女の子・高村彩香(たかむらあやか)。俺よりも2つ年上。近所に住んでて親同士が仲がいいこともあって、小さい頃からよく一緒に遊んでいる。いわゆる幼なじみってやつだ。高校生になった今でもたまに遊びに来る。

「ゲームつけっぱなし。扇風機の電源挿すところがないじゃない。電源タップっていう便利なものはどこに・・・。」

「無い。この間、友達が持っていきやがった。おかげでゲームをやってるときは扇風機はつけらんない。」

「でも、寝るときはゲーム消して扇風機つけられるじゃない。この暑いのに、なんでつけないの?」

「ゲームやったまま、寝オチ。」

 彩香はゲームの電源を落として、扇風機のアダプタをコンセントに挿した。

「まったくだらしない。」

「いいの。」

「さて・・・と・・・。」

 彩香は、右腕につけていた髪留めのゴムを口にくわえると、両手を頭の後ろに回して長い黒髪を1本にまとめ始めた。絹糸のようにさらりとした綺麗な髪が1束に束ねられていく。髪を上げたことにより見えてくるうなじ、ゴムを軽くくわえた艶やかな口元。

 その様子に見とれていると、髪をポニーテールにまとめ終えた彩香は、部屋の掃除を始めた。

「お、おい、何をして・・・」

「え?だって、こんなに散らかってたら、お昼ごはん食べられないじゃん?」

「だからって、なんで部屋を片す?」

「ここにテーブル置いて、私も一緒に食べるから。今日のお昼は素麺だって。やったね!」

 ブイと言いながら右手でピースサインを作る彩香。

「暑い。セミ共よ、スク水になーれ。」

 俺は窓の外を見て、勝てないのは承知でセミに向かって呪いの言葉をかけた。しかし、セミの鳴き声は止まらない。彩香は部屋に散らかったゲームのコントローラやらソフトやら漫画雑誌やらを部屋の隅にまとめていく。片付けの途中、手に取った雑誌の表紙やグラビアをまじまじと眺めていたような気がするが、俺は気にしないことにした。

 片付けが終わって空いた部屋の真ん中のスペースに、直径1mくらいの小さいテーブルを折りたたみの4本の脚を広げて置いた。ちょうどそのタイミングでトントントン・・・と階段を上ってくる足音。

「あらぁ、ごめんなさいねぇ、彩ちゃん。部屋散らかってたでしょ?」

「いえ、いつものことですから。」

 母ちゃんがお盆に乗せて昼食の素麺を持ってきた。彩はお盆の上の昼食一式を順番にテーブルに乗せていく。

「この子、ぜんぜん片さないから。」

「ほっとけ。」

 ゆっくりしていってねと言いながら、母は階段を下りていった。テーブルの中央に素麺が盛られた大皿。その横にネギとしょうがの薬味の小皿。おかずに黄色く綺麗に焼けた卵焼き。そして、俺と彩香それぞれにめんつゆの入ったカップ。

「いったっだきまーす♪」

「いただきます。」

 彩香は嬉しそうに素麺を取って、ズズズっと食べ始めた。俺も素麺を取る。

「んー、おいしー♪」

 素麺をすすっては大皿に箸を伸ばす彩香。

「おいしいね。」

「あぁ。」

 さらに彩香は素麺を取る。

「なぁ、ちょっとペース早くね?」

「素麺は戦いなのだよっ!」

 ドヤ顔で言い放ち、そして、さらにペースを上げる。

「ちょ、待てっ、俺の領域を・・・」

「領域?私には境界線なぞ・・・見えなひふぁズズズッー!」

「喋りながらすするな!くそっ、せめて半分は食べるっ!」

 こうして素麺の取り合いというバトルはあっという間に終わった。

「いやぁ、食べた食べた。おいしかったー。」

「ちくしょー。3分の1しか食べられなかった気がする。」

「ははは、昼までダラダラと寝ている者が私に勝とうなどとは笑止千万。」

「暑いんだから、いいだろ。」

「高校生にもなって、だらしない。なんかこう夏の思い出作ろうとか無いの?」

「そっちだって、高校3年じゃないかよ。なんか無いのか?」

「わ、わたしは・・・ほら、受験生だから・・・いいのよ!」

 あせった顔をして目をきょろきょろさせながら言い訳をする。

「去年と一昨年はどうだったんだよ・・・。」

 俺は聞こえないようにつぶやいた。

「何か言った?」

「いや、なにも。」

 窓の外から自転車の音が聞こえてくる。

「おーい、悠太、遊ぼうぜー!」

 電源タップ泥棒がノコノコと遊びのお誘いに来た。俺は窓から顔を出す。

「うーす、今行く。」

 俺は素麺の皿をお盆に乗せようとする。

「いいよ、私がやっておくから、遊びに行ってきな。」

「ありがと。あれ?昼飯食いに来ただけ?」

「・・・う、うん、も、もっちろん!」

「うっす、じゃー行ってきまーす。」

「いってらー♪」


◆    [2] 電源タップ泥棒と自転車と俺    ◆

「なぁ、お前ん家に彩香先輩来てたんか?」

「ん?あぁ、昼飯だけ食いに。」

 近所に大きな橋があり、その両端の川沿いは地元の子供達の川遊びスポットとなっている。俺達は自転車に乗ってここにやって来た。今日みたいに暑い日はここで遊ぶのが一番良い。それにごくまれにだが、小学生達が遊びに来ることがある。もちろんスクール水着で、だ。今日はおらんけど。

 俺達は川べりの岩に腰掛けて、サンダルを脱いで足を伸ばし、流れる水の冷たさを感じて涼んでいた。

「いいなぁ!美人だし、いつも笑顔だし、いいなー!」

「そうか?ただの昼飯食い人間だぞ。夏の思い出の欠片も無いらしい。」

「夏の思い出?・・・あっ!彩香先輩、彼氏おるんか?おらんのか?」

「知らん。どうでもいいけど、この間、持っていった電源タップ、そろそろ返せよ。扇風機がつけられなくて寝苦しい。」

「寝オチするんが悪いやん。こっちはお前が寝オチしてるの気づかんと、ずっとモンスター狩ってたんやぞ。それより、なぁ、どうなん?明日の夏祭りとかどうなんかなぁ?」

 そういえば、明日は夏祭りだった。この夏休み、俺達は昼まで寝て、午後はだらだら過ごすか川で遊ぶか、夜はネトゲをして眠くなったら寝るという自由気ままな日々を送っていた。たまに夏休みの宿題のことが頭をよぎるが、暑いから考えないようにする。とりあえず母ちゃんに夏休みの間の新聞は捨てないでくれと頼んでおいた。40日間の天気とニュースの話題が分からなくなると日記の宿題が書けなくなるからだ。明日が夏祭りということは、夏休みの約半分が経過したということだ。暑い。セミ共よ、スク水になーれ。呪いの言葉を唱えた。しかし、セミの鳴き声は止まらない。

「おい、あれ。なんかカップルちゃうん?」

 友達が指をさすのは、大きな橋の中央。そこに高校生くらいの男が1人立っていた。そして、その男が見ている先、橋の端・・・シャレではない、から茶髪セミロングの女の子が歩いてきている。俺達がいる川沿いの岩からは距離があるため、はっきりとは見えないし、当然、声など聞こえない。

「いいなぁー。夏のカップル。」

「カップル共よ、スク水になーれ。」

「呪いの言葉かいな。それよりキスするんとか見れるかもしれんで。」

「こんな暑いのに、人と人がくっつくなんて見たくないよ。」

「ええから、ええから。ゆっくり高見の見物しようやんか。」

「橋よりも下にいるから、低見だけどな。」

「なんやそれ。」

 橋の上、女のほうが男のいる位置に来た。男が何かを話しかけている。男はなんだか緊張しているのか落ち着かない様子だ。女のほうは、男が話しかけるタイミングに合わせて、一つ一つうなずいて聞いているようだった。ときおり、右手で恥ずかしそうに茶髪の髪の毛を触る。

「白いキャミソールにジーパン、茶髪にセミロング。いいなぁー、かわいいなぁー!」

「キャミソール、ジーパン・・・」

「男のほうもなかなかのイケメンっぽいなぁ。・・・あれ?よう見たら、あれ、男のほう、3年の先輩ちゃうん?すると、女のほうもうちらの高校の生徒?あんな茶髪の先輩いたっけ?」

 あまり興味が無かったので、注意して見ていなかったが、女のほうの格好に見覚えがある気がした。テレビで見た?最近流行りのファッション?雑誌のグラビアで見たんだっけ?うーん、思い出せない。

「あ、女の子のほう、なんかお辞儀した。・・・あれ、女の子が帰ってまうぞ。・・・あー、あれ、告白断ったみたいなんかな。男のほう、立ち尽くしてる。」

 茶髪の女の子は、橋の中央から逃げるようにして走り去って行った。走り方に特徴があるわけでもないが、俺はなんとなくその走り方に見覚えがあった。あれは彩香だ。

「あー・・・。あ?」

 彩香だということが分かったのだが、分からないことが1つ。彩香って茶髪じゃないよな?まったく分からなくなった。

「電源タップを返さない悪い子とその友達は、スク水になーれ。」

 俺は考えることをやめて動きを止める呪いの言葉を唱えた。こう暑い日は何も考えないに限る。このままじっと流れ行く水の冷たさを感じていよう。

「分かったよ、電源タップ返すから、もう言わんといて。あとで家に一旦帰ってお前ん家に持っていくわ。」

 なんだか気持ちがざわついて、胸の奥がモヤモヤして落ち着かない。

「・・・やっぱり、今日はいいや。今度、返してくれ。俺、今日はこれから行くところあるから。」

「あ、ちょ・・・どこ行くん?」

「今日は帰る!じゃあな!」

 呪いの言葉に俺を止める力は無かった。俺は座っていた岩から立ちあがり、友人を残して、自転車に乗って走りだした。


◆    [3] 茶髪女とブロックゲームと俺    ◆

 慌てて家に帰ると、1台の自転車が家の前にあった。彩香の自転車だ。家の2階、俺の部屋に入ると、彩香がゲームをやっていた。

「おかえりー。」

 ゲームの画面を見たまま、彩香はこちらに声をかけた。

「ただいま。」

 テレビ画面には上から下にブロックが次々と落ちていき、積んでは消えて積んでは消えてが繰り返されている。しばし画面を見ていると、ブロックは画面を埋め尽くすように積み重なっていった。

「なんだかいっぱいいっぱいになっちゃった。」

 ゲームの中で『YOU LOSE!』とキャラクターの声が鳴る。ゲームオーバーだ。

「なぁ・・・」

「あの・・・ね、色々と考えてみたけど、考えれば考えるほど、いっぱいいっぱい積みかさなってきて、考えれば少しずつ解決するのかな?ブロックは消えていくのかな?なんて思って、考えて考えて考えてるんだけど、うまくできなくて・・・」

「おい・・・」

「なにやってるんだろう・・・わたし。」

「彩香・・・お前、なんで茶髪なんだ?ぜんぜん似合ってねーぞ。」

 彩香の肩がかすかに震える。手からゲームのコントローラが力なく離れた。

「お前、髪の毛、黒かったじゃないかよ。あんなに綺麗だったじゃないかよ。長かった髪は?切ったのか?なんだよ、茶髪って?」

「・・・」

 彩香は何も言わない。下を向いたままだ。

「だいたい昼のときは茶髪じゃなかったろ?あれからすぐに切ったのか?染めたのか?なんでだよ?なにがあったんだよ?!」

 俺は何がなんだか分からなくて、語気を強めてしまっていた。いや、俺の知っている彩香が消えてしまいそうなそんな寂しさを感じていたのかもしれない。

「・・・」

「なぁ、橋の上で何話してたんだよ!あの男になんか言われたのか?!茶髪にしろって言われたのか?!」

「見て・・・たんだ。」

「あ・・・あぁ、偶然・・・だよ。友達と川にいたから・・・。」

 思わず橋の上での出来事を見ていたことを口にしてしまい、後ろめたさで俺の声が弱くなる。だが、これで橋の上にいたのは彩香だったと確信が持てた。

「あのね・・・私、告白されたんだ・・・。」

「・・・。」

 俺は何も言わない。

「告白されたのは一昨日で、返事を待ってもらって、今日。あの橋の上。」

「・・・。」

「茶髪にしたら、髪を短くしたら、彼はなんて言うだろう?みんなはどう思うだろう?ってそんなことを考えちゃって。」

 スン・・・音が聞こえる。ずっと下を向いている彩香は泣いて鼻をすすっているようだった。

「彼ね、今日もう一度告白の言葉を私に伝えてくれてね。それで、私、返事をする前に1つだけ質問をしたの。『茶髪にしてみたけど、どう?』って。そうしたら、『茶髪のほうが似合うね』って『明るく見えるよ』って彼は必死になって言ってくれたの。でも、私はその答えを聞いて、断ったの。ごめんなさいって。私っていじわるかな・・・。」

「なんで・・・。」

「悠太の部屋にもさ、雑誌があって、写真に映ってるアイドルはさ、みんな茶髪でしょ?ファッション雑誌もそう。茶髪のほうが明るい女の子に見えるって。」

「そ、そうかもな・・・。」

「男の子もみんなそういう風に女の子を見るのかなって。そう考えたら、なんだか茶髪にして試したくなったの。私のわがまま・・・。彼に悪いことしちゃった。彼はいい人かもしれないけど、私の聞きたい言葉を言ってくれる人じゃなかったみたい。」

「だからって、その茶髪、どうすんだよ?切った髪は?」

「へへへ、女の子の髪はそんなにすぐには変えられないんだよ?知ってた?おしゃれに髪を短くしてもらうのも、おしゃれにカラーリングしてもらうのも、時間がかかるんだから。」

 彩香は俺のほうに振り返り、泣いていた顔で微笑んだ。

「これね、ウィッグなんだ。」

 左手で何かをはずすような仕草をして、右手で頭の茶色い髪を掴むと、バッと茶髪のウィッグを外した。

「へっ?」

 彩香の黒髪がフワッと広がったと思うと、さらさらさらと綺麗な黒が輝きながらまっすぐに落ちた。

「重かったー。私の髪ってなんかこうストンと落ちてないとダメみたいで、巻いてウィッグの中に隠そうとすると頭が疲れちゃうのよねー。首が痛くなっちゃった。」

 彩香が髪を手ですきながら、笑顔で言う。

「よ、よかったー・・・。」

 俺は思わず、口にする。

「悠太は・・・」

「ん?」

「悠太は・・・茶髪、どう思う?」

「似合わねーよ。お前は黒だ。ロングだ。あのなぁ、アイドルだとかなんだとか、っていうのは目立つためのことを色々するの。人より目立つことをしなきゃいけないんだよ。でも、彩香は、黒い綺麗な髪が一番目立つ。それでいい。」

「ふへへ。そう言ってくれて、嬉しいな。」

「ば、ばかやろっ、お前が泣いてるから、褒めただけだっ!黙れ、彩香なんて、スク水になーれ!」

 俺は彩香の口を封じるための呪いの言葉をかけた。うっかり。

「へ?スク水?」

「あ、いや、なんでもないっ!呪いの言葉だ!」

「まぁ、いいや。はーぁ、明日の夏祭り、暇になっちゃったなー。」

 彩香は両手両足を広げて、天井を見つめるように床に寝転がって伸びをした。

「行けばいいじゃないか。」

「だって、男の子からの告白断っちゃったもん。」

「俺と行くか?」

「本当?」

 彩香は起き上がり、こちらを見つめる。

「勘違いするなよ、今日まで夏祭りのことを忘れてたから、俺も一緒に行く奴がいないだけだっ!」

「ふっふーん、ツンデレか。」

「くっ!」


◆    [4] 夏祭りとスク水と俺    ◆

 ドンコドンコドンコドンコ、ピーピーヒャララーピーピーヒャララー。
 毎年思うのだが、この町の夏祭りはたぶん日本の中でも異質なんだと思う。いや、他の町のお祭りなんてあまり見たことは無いけど、なんとなく異質なことは分かる。なぜなら、町内のおじさん達が腰蓑をつける。おばさん達もサンバのような感じの格好だ。しかし、踊りは激しくなく、マイペースにピーヒャラーラーピーヒャララーと気持ちの悪いリズムで踊る。踊りの中央には、女児用のスクール水着をカカシに着せて、奉っているのである。

『すくみずに~なれば~きっといいことが~あ~る~ん♪』

 ドンッドンッドドンッ!と太鼓の音が音頭に合わせて打たれる。
 噂によると、神社の今の代の神主が30年前に神社を引き継いだときに、町内会とぐるになってこのお祭りや音頭を作り上げたとかなんとか。噂を聞けば聞くほど、頭が痛くなるというか、町自体が痛町と呼ばれないかと不安になる。

「いやー、今年もみんな楽しそうですなぁー。」

 彩香が祭りの様子を見ながら、笑顔で感想を漏らす。その彩香は、浴衣姿で髪を後ろでお団子にまとめている。祭りの様子を見る綾香の首下からうなじが見えて、俺は思わず生唾をゴクリと飲み込んだ。

「どこから行こうか迷っちゃうなー。考えれば考えるほど、迷うよー。」

 屋台を見回しながら、キラキラと目を輝かせる。

「昔の映画で見たことがあるぞ、こういうときは・・・」

『ラムネでも飲んでリラックスしな』

「だ。」

「でしょ?」

二人の声が重なる。

「俺のセリフを取るな!こいつ!」

「へへへー。じゃあ、ラムネ・金魚すくい・ラムネ・ラムネ・とうもろこし・ラムネ・わたあめ・ラムネの順で行きまっしょい。」

「ラムネ、多くない?!ねぇっ!あと俺の好きなイカ焼きも入れてっ!」

「しょうがない入れてやるでゲソ!」

 俺達は夏祭りを楽しんだ。屋台めぐりをして、町の謎のお祭り音頭を見て、そして、最後に打ちあがる花火を2人並んで見上げた。彩香は隣でわたあめを持って、花火を見ている。

「ねぇ、今日はありがとう。」

「どういたしまして。」

 夜空の花火を見つめたまま、彩香はお礼を言ってきた。

「おかげで高校最後の夏に思い出が出来たよ。」

「あ、あぁ。」

 彩香は受験生だ。どこの大学に行くのだろうか。俺が高校に入った4月、彩香は高校3年生になった。その4月からずっと気になっていた彩香の進路を、俺は聞くのが怖くて、ずっと聞けずにいる。今も同じだ。ひょっとしたら、こことは離れた大学に行ってしまうかもしれない。そうしたら、会えなくなる。

「ねぇ、悠太はスクール水着が好きなの?」

「へ?」

 突然の質問に驚いて彩香のほうを見ると、彩香は花火ではなく、こちらをじっと見つめていた。どこか変な期待の眼差しで見つめられている気がする。しかし、夜、花火の明かりに照らされた浴衣姿の彩香は、とても綺麗だった。色々な意味で俺の鼓動が高くなっていた。

「スクール水着が好きなの?悠太の部屋の押入れを開けたら、スク水の女の子の本がたくさん。あれって同人誌って言うんでしょ?」

 しまった!あれは厳重に誰の手も届かないようにしておくべきだった!友達の兄貴が毎年夏になると夏のコミックフェスティバルで買ってきてくれる、それはそれはありがたい本達なのである!ちなみに、友達の兄貴は『スク水を脱がすなんて!断じて否!』という流派の人であり、その弟である友達も、そして、俺も同じ流派を極めんとする変態紳士(おとこ)である。だから、部屋の押入れに隠してあったのは、あれだぞ!成人向けとかそういうんじゃ・・・そういうんじゃないんだぞっ!

「そういうんじゃないんだぞっ!」

「なにが?」

「え?あ、いや、ちがっ、その・・・それはその・・・。」

「いいんだよ、悠太。私、正直に言ってくれる人が好きなの。」

「は、いや、その・・・。」

「私の髪を・・・黒い髪を綺麗だって言ってくれた人は・・・悠太だけ。だから・・・ねっ?」

 彩香は顔を赤く染めて、こちらを見つめてる。

「ねっ?って・・・それは・・・その・・・つまり?」

「悠太、私ね、この浴衣の下にスクール水着、着てるんだよ?」

「え?」

「見たい?」

「そ、そりゃあ、見たいに決まって・・・いや、違うんだ!そういうことで見たいんじゃなくて、そりゃあ、彩香のその・・・」

 俺はしどろもどろになり、花火の音がドンドンと大きくなり、胸の鼓動が大きくなり、視界がぐるぐると回ってきて、意識が遠のいてきた。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

「ねぇ、見たい?」

「見たい!見せて!」

 ガバリッと俺はベッドの上から飛び起きる。

「へっ?ベッドの・・・上?」

「じゃあ、見せたるわ。」

 目の前にはべろんべろんに酔っ払った男、俺の友人だ。どうやら俺は飲み過ぎて眠ってしまっていたらしい。周りには酔って寝ている奴、目の前の男と一緒に騒いでいる奴など、合わせて6人。いつもの男共の集まりだ。
 そして、今まさに目の前の男が、ズボンのチャックを開けて・・・

「ねぇ、一体何をしてる?!」

「何って、お前が見たい言うから、俺の俺様を見せつけてやるっちゅーねん!くわえさせてやってもええぞ!」

「ええぞ!っていらんわ、ボケッ!」

「お前、なんかええ夢見てたんちゃうか?顔が偉いにやけてたからなぁ。」

「ま、まぁ、良い夢だったかな。・・・あとちょっと・・・あとちょっと・・・寝かせてくれれば、もっと良いシーンが・・・ぐっ!」

 俺は男泣きした。

「そ、そりゃあ、悪かったな。くわえるか?」

「くわえないよっ!」

「じゃあ、まぁ、呑みな。呑んで忘れちまえ。」

「くそっ、俺・35歳、悠太呑みまーす!」

 俺はヤケクソになり、グラスに注がれた焼酎を一気呑みした。
 30代独身の男達が6人も集まって、週末はべろんべろんになっている。こんな俺に、あんな甘酸っぱい高校時代があるはずはなかった。完全な夢・幻だった。

「お前ら全員、スク水になーれ!」

 俺はすべてが止まる呪いの言葉をかけた。残念ながら、この呪いの言葉は力を持たない。俺の人生は止まらない。

 そう、俺達の楽しい人生はまだまだこれからだ。





今日のニュース

▼ 【 スク水 】

誰が何と言おうとアオアシラさん
 (情報元:Digital Flyer

誰が何と言おうとアオアシラさん
なんだかドキドキします!(*´∀`*)

もう9月ですか・・・
 (情報元:yuki国 

もう9月ですか・・・
スク水!(*´∀`*)

ほむほむほむほむほむほむほむん♪
 (情報元:ねお・ぴゅあ

ほむほむほむほむほむほむほむん♪
9月4日更新分!
ほむーーーーーーーーー!(*´∀`*)

『侵略!?イカ娘』アオシマ、イカ釣り漁船プラモ(イカ娘Ver.)を発売!【共食い】
 (情報元:舞軌内雑筆店

白スクでゲソ!(*´∀`*)

▼ 【 アニメ・コミック・声優 】

【声優】東急ハンズのサイリウム売り場で『女性声優イベント』について注意書き
 (情報元:萌えオタニュース速報

Aice5メンバーの色が書かれている、なぜ今w
あと色々とおかしいw

小林ゆうさんがマーガレットで漫画化される その名も『小林ゆう伝説』
 (情報元:声優☆速報

すごく気になる!

「ミルキィホームズ サマー・スペシャル」をニコニコ生放送で上映
 (情報元:おた☆スケ

『TOKYO MXなどで放送された夏の特別編の新作アニメ「さようなら、小衣ちゃん。ロンググッドバイ・フォーエバーよ永遠に・・・」を無料で上映するもの。』です!

ドラクエのスライムが青い肉まんに! ファミマで販売
 (情報元:楽画喜堂

青いんですか?!

『シュタインズ・ゲート』最終回アフレコ後キャストコメント!
 (情報元:痕跡症候群

ネタバレがあるようなので、最終回を見てから読みます。

川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム見てきたよ
 (情報元:S.K式*

しばらくは混むんだろうなーと無意識にうちに思ってたのですが、
良く考えたら、事前チケット購入制だから、チケットさえ購入できれば、
混雑することはないんですよね。

よし、チケット取ってみるか。

▼ 【 イラスト・画像・動画 】

夏ももう終わりだなぁ
 (情報元:カタミチキップ

夏の制服少女!

なの
 (情報元:ぽて都

「!」してるなの、だけど!

【ニコニコ動画】魔法少女まどマギSEED OP
 (情報元:ニコニコ動画(原宿)

バッチリでした。かっこいい。

▼ 【 2ch・ネタ・雑学 】

思わず居酒屋で笑ったとき
 (情報元:痕跡症候群

ワロタw

店 「あら、いらっしゃいませ」
 (情報元:ほんわか2ちゃんねる

あかさん!

▼ 【 ストライクウィッチーズ (pixivイラスト) 】

背中のファスナー ちキソさん








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2011年09月06日 | サイト企画 | トラックバック:0 | コメント:0 | 拍手コメントを見る

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